桜色レモン味
ちゃら男

「よ、奈子ちゃん、久しぶり」
 放課後、校門の前で、いかにも軽そうな男があたしを待ちかまえていた。着崩された見知らぬ制服、栗色の髪。誰?
「俺だよ、静斗」
 しずと、しず、と、
「静くん?」
 いや、まさか。だって私の幼なじみだった静くんは、名前の通り大人しい子だった。
「そ。何年ぶりかな、」
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