桜色レモン味
 玲華ちゃんにしつこく誘われるので、最近は玲華ちゃんのグループに混じってお昼を食べる。このグループはいわゆる、モテる女子のグループで、私はかなり浮いていて気まずい。ひたすら相づちに回って、なるだけ目立たないようにする。

「玲華と柴崎くんって仲いいよね」
「ねぇ、玲華的には柴崎くんってどうなの?」

 緑色の多い弁当をつつくように食べる彼女らはみんな、髪を同じような、ぎりぎり先生に誤魔化せそうな範囲の、黒みがかった茶色に染めている。渋い緑のチェックスカート、紺のハイソックス。みんな同じ色。ただ、ニットのカーディガンは色とりどりだ。

「えー、ただの友達だよぉ」
 そう言う玲華ちゃんのほおは、赤かったのかもしれない。
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