【番外編集】オレンジ色の奇跡
「おい、梨海」
「…………」
「はぁー。ふざけんのもいい加減にしろ」
「……だって」
「なんだよ」
「……なんでもない」
言ったところで、何も変わらない。
あたしのワガママに耕太を困らせたくないし、あたしが、我慢すればいいこと。
今までみたいに我慢してれば、耕太の傍にいられるの。
「泣いてたくせになんでもない、か」
「泣いてないもん」
膝を抱えながら額をつける。
「どうせ、するんでしょ?なら、はやく家帰ってヤればいいじゃない」
「は?誰がお前とヤるって言ったんだよ」
「耕太」
「俺は、家に泊まれって言っただけ。何、勘違いしてんだよ」
だんだんと声が大きくなるな、なんて思っていると、大きな手があたしの頬に触れた。
「―――っ?」
「あ、激しいのがお望み?ベッドに拘束してやろうか?」
「こ、耕太のばかぁーっ!!!」
耕太の手を払いながら起き上がり叫ぶと、口角を少しだけ上げた。