【番外編集】オレンジ色の奇跡

「カイの嫁」

「そうなんだ」

 少しだけ安心したあたしは、そのままシートに吸い込まれる感覚に陥り瞼を閉じた。



「………ん」

 ふわふわする感覚の中、目を擦ろうと手を動かす。

「……あ、れ?」

 ゆっくりと目を開け、自分の状態を確認すると、耕太の家だと思われる寝室。

 だけど違和感を感じて動かそうとした両手は動かない。

 おかしい……。

 冴えてきた頭をフル回転させ、両手を持ち上げて見れば。

 ネクタイで固く縛られた両手、が目に入った。

「う、うそぉーーーっ!!!」

 え?ウソでしよっ。

 あたし、ホントに拷問されちゃうの?!

「いやいや!ドS、変態、自己中の耕太でもさすがにしないよっ」

 うん、そうよ。いくら耕太でも、そんな人でなしじゃないわ!

「誰が、ドS、変態、自己中だあ?」

 がちゃりと開いたドアの向こうにはめちゃくちゃ不機嫌そうな耕太の姿。

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