【番外編集】オレンジ色の奇跡

「こここここ耕太っ!?」

「さぁ、吐いてもらうかな」

「な、何を、よ?」

「俺様をシカトした理由と、怒った理由、泣いた理由」

 つまり、すべて吐けってことだろうけどっ。

 ………呆れない、かなあ?

「ここまでしても、話さないのか?」

「……話すよ。だから、手、解いて?」

「俺が、納得できるように話せよ?」

「………はい」

 あたしの背中に手を回し抱き起こした後、手首のネクタイを解く。

 少し、きつく縛られていたためかほんのり赤くなっている手首。

「はぁー」

 手首を擦りながらため息をつくあたしの前に座る耕太はネクタイをクルクルしている。

 クルクルし終わったネクタイを横に置き、あたしの手首を掴んだ。

「さぁ、吐け」

 すっと、耕太のその黒い瞳に吸い込まれるように、あたしは口を動かした。

「………こ、うたはさ。不安、にならない?」

「は?」

「………2ヶ月半くらい?会わなくても平気………だよね。ごめん」

 耕太はそういうこと考えない人だもんね……。

 聞いたところで「別に?」って言われて終わるんだろうな。

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