Cry!Cry!Cry!
「はい!【大切な人に伝えよう!SP】!!
今回は豪華なゲストの方々がお集まりになってくれました!!」
あたしの初めてのバラエティー番組。
この番組ではこの業界にくるまで
ずっと自分の事を応援してくれた人に
一緒にテレビに出てもらって
その人に感謝の気持ちを伝える番組。
あたしの隣には母親がいた。
「大丈夫。わたしがついてるから。
そんなに緊張しないの。」
最後まで母親は優しかった。
そして、あたしの番が回ってきた時に事件が起きた。
「きゃああああああっっ!!!!」
金切り声で叫ぶ人々。
目の前に現れたのは刃物を持った
父親だった。
「ちひろおぉぉぉぉぉっっ!!!」
血走った目であたしを見る。
そして勢いよくあたしに刃物を振り落とした。
そのとき
グサッ
痛みを感じなかった。
刺された感触がなく
目の前には誰かが重なって
急に人の重みを感じ・・・
あたしは耐えられずその場に倒れた。
そう
刺されたのはあたしではなく
母親だった。
母親はあたしをかばって刺された。
父親は大声で唸り逃走した。
それから彼が生きているのかは
不明。
でも、父親はあたしの大事な母親を
殺したんだ。
それからあたしは人を信じられなくなった。
信じると人は弱くなる。
苦しみに耐えられなくなる。
だったら
愛なんていらない
独りで生きていくという
強さを手に入れようとした。