【短集】虹


「ちょっ…
どこ行くのよ!?」


拒否するあたしに構わず走っていく奴。

心臓は静まらない。







「あ」

そう言って奴は
急に立ち止まった。



「ぎゃ!?」

急に止まるなバカ!!







「これ」


そう言って奴は、
突然、何かをあたしに渡してきた。



コイツの読めない行動に頭を傾げながらそれを受け取る。





「…………」

………え……これ…







「料金制だからな」



手渡されたのは、
黒い、奴の手袋。




「り、料金制!?」
「しとけ」


そう言って、あたしの手に手袋をはめ、グシャリと頭を撫でてきた。





「転ぶなよ」
「っ、うっさい!!」


ニヤリと笑うと
奴は走り出す。





あたしの手をとって。






【放課後、2人。】




あの教師に感謝、
だったりして。




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