妹の恋人は姉の彼氏の従弟
眠っている海堂彰吾の頬をつねってみた

にやりと頬笑みを返してきた
普段起きている時には見せない
可愛らしい笑顔だった

もう一度つねってみる

海堂彰吾は同じように
にやりと笑った

反射?

反応?

私は面白くなってきた
さらにもう一度チャレンジする

さすがに3回目は痛みが脳に伝わったらしい

眉間に皺を寄せると
大きな手で頬をさすっていた

面白い!

またやりたい
つねりたい

…でもそろそろ起きるよね?

何度もやってたら
目ざましで起きない大男でも
起きちゃうよね?

心の中で葛藤しながら
私の手は
海堂彰吾の頬に手が伸びた

頬を触ろうとした私の手首を
海堂彰吾がばしっと掴んだ

え?
起きてる?

「ちゃんと風呂に入らないと…むにゃ」

むにゃ?
寝言か

私は海堂彰吾の手を振りほどくと
ヤツに背を向けた

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