妹の恋人は姉の彼氏の従弟

モテる男

「ぶわくっしょん」

私は盛大なくしゃみをした
隣を歩いていた蓉子が
眉間に皺をよせて
怖い顔をしていた

「飛ばしてないよ!」

「わかってるわよ
恥ずかしいのよ」

「何が?」

「女の子でしょ?
口を覆うとか
音を控えるとかしないの?」

「面倒だ」

「あっそ

それよりも!
聞いてくれた?」

「は?」

「ん?
聞いてないの?」

「あ……」

そう言えばなんか約束してた
なんだっけ?

「恋人の有無よ」

「そうだった
聞いてない」

「もう!」

私はもう一度
盛大なくしゃみをした

ずるずるっと
鼻水をすすると
廊下を歩きながら

校庭を眺めた

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