妹の恋人は姉の彼氏の従弟
「ちょ…ちょっと!
年下ボーイの彼女って
あんた?」

「はい?
…そう見える?」

「見えるわよ
あんたの鼻水を拭いて
しかも制服についた鼻水を
嫌がらずにいるなんて!」

私は頭をかいた

彼女ではない

けど一緒の部屋で生活している

なんだ
この関係?

よくわからん

「ヤツはもてるようだな」

「整った容姿に
バスケットの才能を備えていたら
女は抱かれたいって思うわ」

蓉子の目が輝いた

「ん、なら
抱いてもらいなさい」

私は蓉子の肩をたたいた

「じゃ、仲介役は頼むわよ」

「嫌だよ
面倒くさーい」

私はくしゃみをした
手に持っていた
海堂彰吾のティッシュを
遠慮なく使わせてもらった

ヤツはもてるんだ

ブツブツと何を言っているのか
わからないような男に
魅力があるのか…

私にはわからない

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