◆遊園地の支配人◆+。

「はい………分かりました……」
俺は山崎先生に無理矢理聞くのはやめた。

それから30分くらい経った。
6時頃、名倉先生が来た。

「おはようございます」

相変わらず笑顔は美人だ。

サラサラなロングの黒髪か。
あー今日ズボンだ。
足長ー。細ー。
純粋そうな感じな……
絶対小池先生か山崎先生は見とれちゃうだろうな。
まぁ自分が言うことじゃないけど。


「山水先生ー……………おはようございます」

俺は名倉先生の声でハッとした。

「あ……おはようございます」

「ボーっとしすぎじゃないですか?」

名倉先生はクスッと笑って、俺のおでこを指でツン、とつついた。

「いやいやいや」
俺も笑う。


「心の中でも素直な自分になれば楽になんでも考えられますよ」
スッと座る時に言う名倉先生。

楽に?
俺は素直でそんな感じだけど…。

「例えば頭の中とか心の中で、俺とか言ってない?山水先生一人称僕でしょ?強気に考えなくても平気よ」

「え………」

「つまり自分に嘘付いてるみたいな感じかしら」


「別にそんなこと……」

「図星はもっとダメよ」
ニコッと笑う名倉先生。

その顔犯罪ですよ。

「口に出す素直じゃない気持ちはダメですよ」
ウィンクかい。

別に俺は…………

「今俺って頭の中で言ったでしょ?」

「………!!」

「ふふっ」

名倉先生何者だよ……。

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