◆遊園地の支配人◆+。


「あのぉ……名倉先生ぇ」
山崎先生が名倉先生の所へ来た。

名前を呼ばれた名倉先生は、ぱっちりした目で山崎先生を見る。

「僕もまだ生徒覚えられなくて……」

「あぁ。頑張ってください」

ちょっと冷たい。
笑顔もひきつってる。

「今日飲みに……」

「ごめんなさい。今日用事があるんで」

テキパキ言う名倉先生に大人って感じた。

なんか山崎先生も色々だなぁ。

「まぁ山崎先生……今日は…」

「なんでお前と行かなきゃならないんだ!?」
小池先生が気を遣ってくれたのに、山崎先生は断る。

山崎先生って意外にガラスのハートだ。

小池先生も傷付いたのか、凍りついたように固まっている。


「小池先生……山崎先生?大丈夫ですか?」

二人は別々にトボトボとどこか行ってしまった。

「ちょっと樹海行ってくる!!」




「はやまんないでくださぁぁい」


山崎先生と小池先生は本当にどこか行ってしまった。


「どうしちゃったんでしょうね」

名倉先生はそれを軽く見て、クスクス笑っていた。

………樹海行くのに、そんな風に笑っちゃダメですよ。



「きっと大丈夫、戻ってきますよ。ロープもナイフも持ってないんですし」

ニコニコしてる名倉先生。


でも二人は、確か喫煙をする人だよ。
タバコは毎日吸っているって聞いた。

だったらタバコ吸ってるならきっと……。


「あの人達、ライター持ってるんじゃないですか?」

そう言ったら名倉先生は、ゆっくり僕のほうを向き固まった。



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