【実話】ありがとう…。
その後、私は仕事以外には、外出する事もなくなり、家に居ても自分の部屋に隠りっきりになる。


言葉を話す事も殆んど無くなっていた。


そんな様子を母は心配し、色々やってくれたが、受け入れる事が出来ない―‐…。


母はこの時、

「この子は死ぬかもしれない。私は、娘を助ける事が出来ないのだろうか」

と。








12月31日。

とうとう年末だよ。


本当なら今頃、バスに乗ってる頃だよね…?


たかさん…貴方は幸せだったのかな?


私と出逢って良かった…?


たかさんが残したMD―。

去年の12月25日の日付が入ってた。


あの日、自分の命が後1年も無いなんて…思わなかったよね。



たかさん言ったよね…。

「俺は長生きしない」

でも―。


余りにも短い人生だったね。


私の心は、あの日のままなのに、時間だけが足早に過ぎて行く。


そのうち皆、たかさんの事も忘れちゃうのかな?

そんなの寂しすぎる。


遺された人は、色んな物背負って生きていかなきゃいけないって辛いね―‐…。








月日は過ぎ、春になる。


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