【実話】ありがとう…。
「分かった」


この重苦しい空気に堪えられず、納得した。


ねぇ…。

あっちは、この時から別れる事考えてたんだよね、きっと。


一緒に居るのが辛かった。

涙が今にも零れ落ちそうなのを必死に我慢し、気付かれないように、窓の外を眺めて、

「帰るから送ってくれる?」

そう一言を言うのがやっとだった。


「…分かった」


車はゆっくりと動き出し、無言のまま望の家に向かって走り出す。



暫く走ると、いつものコンビニへ着いた。


「おやすみ」

それだけを言い、車から逃げるように降り、ドアを閉めた。


あっちが何か言っていたけど、気付かない振りをして家へ急いだ。


これから先の事なんて分からない…。


1ヶ月も堪えられないかもしれない…。


1ヶ月たって、友達のままで居ようって言われるくらいなら、今、別れた方が良いのかなって。


もう…辛い思いはしたくない―‐…。


傍に居れば甘えたくなるし、もっと好きになる。


あっちの全てが欲しくなる。


好きだから、嫌われるのが…怖いの―‐。


1ヶ月後―。

私に未来はあるのかな?


1週間後―。

今日届いたあっちからのメールを見て、ホッとした。


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