【実話】ありがとう…。
直ぐに連絡下さい。これ、自宅と携帯の番号です」
とメモを渡す。
「ありがとう」
と言って、受け取ってくれた。
「いえ。じゃあ、先に戻ります」
病室に戻るとムッとした顔をして、
「随分遅くね?俺1人煙草吸えねぇし、退屈だったんだけど!」
と子供のように文句を言い、私を恨めしげに睨んだ。
「ごめんって!機嫌直して。ね?」
「お袋と話してたのか?」
「うん、まぁね」
「何話してたんだよー」
「女同士の話だから内緒!」
笑って誤魔化す。
「教えろよ~」
「ダ~メ」
クスクスと笑っていたら、諦めて突然、真剣な顔をする。
「なぁ~」
「うん?」
「毎日来てるけど、家、大丈夫なの?」
「どうしたの?急に」
「いや、ちょっと気になったから…。俺のせいで母さんとギクシャクさせるわけにいかないし」
私の家は―。
父は私が14歳の時にクモ膜下出血で倒れ、20歳の時に、亡くなっている。
母は、父が倒れてから、昼は父の看病をし、夜、寝る間を惜しみ働いて、女手一つで4歳違いの兄と私を育て上げてくれた。
「親には、ちゃんと話した。たかさんの傍に居る
とメモを渡す。
「ありがとう」
と言って、受け取ってくれた。
「いえ。じゃあ、先に戻ります」
病室に戻るとムッとした顔をして、
「随分遅くね?俺1人煙草吸えねぇし、退屈だったんだけど!」
と子供のように文句を言い、私を恨めしげに睨んだ。
「ごめんって!機嫌直して。ね?」
「お袋と話してたのか?」
「うん、まぁね」
「何話してたんだよー」
「女同士の話だから内緒!」
笑って誤魔化す。
「教えろよ~」
「ダ~メ」
クスクスと笑っていたら、諦めて突然、真剣な顔をする。
「なぁ~」
「うん?」
「毎日来てるけど、家、大丈夫なの?」
「どうしたの?急に」
「いや、ちょっと気になったから…。俺のせいで母さんとギクシャクさせるわけにいかないし」
私の家は―。
父は私が14歳の時にクモ膜下出血で倒れ、20歳の時に、亡くなっている。
母は、父が倒れてから、昼は父の看病をし、夜、寝る間を惜しみ働いて、女手一つで4歳違いの兄と私を育て上げてくれた。
「親には、ちゃんと話した。たかさんの傍に居る