【実話】ありがとう…。
斎藤さんはチラッとたかさんの方を見、そして私の方を見て、大きなため息を吐いた。


「どうゆう事?別れたって言ったよね!」



「別れたよ…」



「じゃあ、何でここに居る訳!?」

口調が段々と荒くなっていく。


「嫌いで別れた訳じゃない!病気のたかさんの事…放っておけない!!」



「覚悟は出来てるんだよね!?だからここに居るんだよね?この間、話したよね。良いとこ3ヶ月だって」


斎藤さんの言いたい事は、嫌と言う程分かってた―‐…。


だから…返事が出来なかった。


「離れるなら今のうちだよ。辛いのは分かるけど、のんちゃんには、傷付いて欲しくないから」



「…ごめん、斎藤さん。もう決めたの!傍に居るって。たかさんと別れて…こんな事になって、凄く後悔した…。もう、後悔したくないの!」



斎藤さんは、凄く悲しい顔したけど、分かったって言って、

「覚悟しときなよ!…でも、いつでも連絡寄越しな!」

そう言って、凄く優しく笑ってくれた。


「ありがとう。斎藤さん」



「じゃ、私も実習中だから行くね」

と戻って行った。


私もエレベーターに乗り込み、病院を後にする。


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