【実話】ありがとう…。
沈黙のまま、時間は過ぎ、親戚も駆け付ける。


不安に堪えきれず、母に電話した。


「もしもし」



「お母さん…たかさんが…」



「たかに何かあったの?」



「たかさん…ICUに入ってる。…もうダメかもしれない!」



「何言ってるの!たかは今、必死に生きようとしてる!アンタが諦めてどうするの!!」

母に言われ、涙が溢れた。


諦めちゃいけない!!

今、たかさんは必死に戦ってるのに…。


「分かった!ごめん…。何かあったらまた連絡するから」

電話を切り、Dルームに戻ると、お母さんに話掛けられる。


「望、悪いんだけど、家に行って来てくれない?」



「えっ?」



「朱羅(しゅら)…もう2日も帰ってないから、朱羅の餌も無くなってると思う。だから、朱羅の面倒頼めないかな?」


朱羅は、たかさんの飼って居た猫。


今、たかさんがこんな状態なのに、傍を離れたく無かった。


でも…たかさんの可愛がっていた猫。


仕方無く引き受けた。


直ぐにバスの時間を調べ、5分後にバスが来る。

急いでバス停に向かい、来たバスに乗り込む。

1時間かかり、たかさんの家に着いた。


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