僕らのヒ・ミ・ツ
「そんな事より部活いこうゼ!」


「お…おう」



体育館に向かう途中、廊下で由貴とすれ違った。

加藤が肘で俺をつついてくる。由貴の連れも加藤みたいな反応を由貴にしている。

だけど俺らは声をかけるどころか、目さえ合わせない。


「いぃの?由貴ちゃん。あれ弟君でしょ?」


「弟だからって、愛想よくする必要ないもん。そんな仲良くもないし」


由貴たちの会話が遠くに聞こえる。


「何気にキツイな〜。お前の姉ちゃん」


「俺も全くもって同感だよ、由貴に」


「世界中の双子がみんな仲良しだと思ったら大間違いだ。性別だって違うんだし」


「ふ〜ん」


加藤はニヤニヤしている。
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