恋のありかた
「まぁまぁ。本気で殺されそうになったら呼んでよ」
「黙れバカ」
呼びだされて数分後には、三月と話している。これがダメなんだろう。私も私で、後輩や同期、先輩から見れば、何あの女?な感じなんだろうけど。たかが友達、どうやっても友達。恋愛に発展することは一生ないのだから、私は三月と居る事をやめるつもりはなかった。やめる理由も、見当たらない。教室に戻る道のりを一緒に歩きながら、三月の横顔を見た。
「何。」
「別に」
「“かっこいいなぁ”?」
「ありえね。」
整っていると思う。三月のお父さんもお母さんも、かっこいいし、綺麗だし。うちの母親と同年齢なのに、年齢を感じさせない不思議な魅力がある。うまいこと引き継がれているなぁ、なんて感心してしまった。
「なんなのー…セツって俺のこと本当に何とも思わない人だよねー」
「思わないよ。」
「俺も思わないけどね」
三月がサラッと言うもんだから、言葉に少し詰まった。わかってるっつの。
「……今日は晩御飯うちで食べんの?」
「んー、今日は先輩のお家にお邪魔予定♪」
「歩く性欲だね、三月って。」
そう言って笑うと、三月の顔が一瞬だけ陰った。もう一度見ると、その顔はまたいつものヘラヘラした笑顔に戻っていた。三月は、私には一度も触れなかった。そこが、いいところ。友達だから、ただの友達じゃないから、ただそれだけなのかもしれないけれど。
「そろそろ落ち着きなよね」
「うんめーの人が現れたらね」
「何それ。気持ち悪い。」
「たとえば……、」
休み時間の終わりを告げるチャイムがそこで鳴り響いた。
階段向こうの廊下からは慌ただしく教室へ戻る何人かの足音と話し声が聞こえた。
「……わり、思いつかねー」
三月は、またいつものように笑って先に歩いて行ってしまった。
「何それ……。」
残された私の胸の中が少しざわめいた気がした。
「黙れバカ」
呼びだされて数分後には、三月と話している。これがダメなんだろう。私も私で、後輩や同期、先輩から見れば、何あの女?な感じなんだろうけど。たかが友達、どうやっても友達。恋愛に発展することは一生ないのだから、私は三月と居る事をやめるつもりはなかった。やめる理由も、見当たらない。教室に戻る道のりを一緒に歩きながら、三月の横顔を見た。
「何。」
「別に」
「“かっこいいなぁ”?」
「ありえね。」
整っていると思う。三月のお父さんもお母さんも、かっこいいし、綺麗だし。うちの母親と同年齢なのに、年齢を感じさせない不思議な魅力がある。うまいこと引き継がれているなぁ、なんて感心してしまった。
「なんなのー…セツって俺のこと本当に何とも思わない人だよねー」
「思わないよ。」
「俺も思わないけどね」
三月がサラッと言うもんだから、言葉に少し詰まった。わかってるっつの。
「……今日は晩御飯うちで食べんの?」
「んー、今日は先輩のお家にお邪魔予定♪」
「歩く性欲だね、三月って。」
そう言って笑うと、三月の顔が一瞬だけ陰った。もう一度見ると、その顔はまたいつものヘラヘラした笑顔に戻っていた。三月は、私には一度も触れなかった。そこが、いいところ。友達だから、ただの友達じゃないから、ただそれだけなのかもしれないけれど。
「そろそろ落ち着きなよね」
「うんめーの人が現れたらね」
「何それ。気持ち悪い。」
「たとえば……、」
休み時間の終わりを告げるチャイムがそこで鳴り響いた。
階段向こうの廊下からは慌ただしく教室へ戻る何人かの足音と話し声が聞こえた。
「……わり、思いつかねー」
三月は、またいつものように笑って先に歩いて行ってしまった。
「何それ……。」
残された私の胸の中が少しざわめいた気がした。