恋舞曲~雪の真昼に見る夢は…~

「ホント、冗談じゃねぇぜ」

続いて金髪のヒトが言う。

「おやじがこのオンナと結婚したら、オレ様は“マリヤ・マミ”のことを、おふくろと呼ばなきゃいけなくなっちまう」

「マリヤ・マミって……。あたしの名前は“マミヤ・マリ”です!」

「似たようなもんだろ? 気にすんな」

このとき、あたしはついにブチ切れた。

「大学に通ってるクセして、ヒトの名前も覚えきれないなんてバッカじゃない!」

「テ前ェ、中学生のクセに生意気だぞ!」

「アンタも大学生なら、誠志郎さんみたいに、中学生から尊敬されるような大学生になりなさいよ!」

「うるせぇ、三つ編み!」

「うるさい、金髪!」

「ハイハイ、ケンカはそこまで♪ マスター特製のおいしぃぃぃケーキを食べよ♪」

あたしと金髪のヒトの、まるで小学生みたいなケンカを見かねたのか、郁巳おねーさんが仲裁に入ってくれたけど……。


まぁ、そんなこんなで……とにかく、こうして1年前の今日この日、あたしはサッカー部のみんなと出会ったんだ―――――
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