sky
「うん、眺めるのが好き」


私は、空を軽く見上げながら答えた。


「…俺も好きなんだ、空。何もかもを、包んでくれる気がして。」


転入生も、同じように空を見上げる。


「なぁ、あんた名前は?」


私より背が高い転入生は、私を軽く見下しながら言った。


「原瀬………桜」


大嫌いな親につけてもらった、大嫌いな名前を、悲しい響きの名前を、転入生に教えた。


「桜…か。俺は、矢宮大地。…宜しく」


無愛想だけど、淡々と喋る矢宮は、何だか悪い人には見えなくて、私は軽い仲間意識を抱いた。
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