幻妖奇譚
「しかもこの話、聞いたら最低でも2人に話さなきゃいけないの」

「やッ!? やだ!! そんな大事な事、最初にゆってよぉッ!!」

 怖がりながらも聞いてしまったチエ。当然の抗議を始める。

「……言わないとどうかなるの?」

 至って冷静沈着なアケミも、声を震わせた。

「そうよ……。これを聞いて48時間の間に誰にも話さなかったら――夜中の2時に男の人が迎えに来るの」

 適当な事を言っちゃった……。でもアケミってばすぐ人より優位に立とうとするんだもの。悔しいじゃない。

 ヨシエ、アケミ、チエ。

 この3人に降り懸かる恐ろしい出来事。

 伝えられている事実を曲げて話してしまったヨシエ。それを聞いてしまったアケミ、チエ。


 しかし、伝えられている話が全て真実とは限らない。


 3人の娘の話に出て来た20代の男。

 何故花束を持っていたのか。

 そして何故、電車に撥ねられてしまったのか……。


 次のお話ではその男に視点を移しましょう。


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