鈴が鳴る~イブの贈り物~
 さとるは夜空を見上げた。
 
 今は冬だが、春も来る。

 人の心は、なかなか変わらないと言われるが、変わろうとしないから変わらないだけでは無いのか。

 今更という言葉を使い、逃げているだけではないのか。

「変われるだろうか」

 変わったら、香奈子とやり直せるだろうか。

 言葉を積み重ねても届かなかったが、目に見える形なら、気持ちが届くかもしれない。

「サンタクロースになるか」

 さとるはサンタのぬいぐるみを見つめながら呟いた。

 その思いつきは、それほど悪くないように思えた。

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