鈴が鳴る~イブの贈り物~
「いっ、いや、やはり、初めて出会った方の家にいきなり行くのもちょっと」

 意外な展開だ。

 さとるは女の迫力に気圧されながら言った。

 そんな事を言われるとは想像もしていなかった。

 軽い男でもない。言葉どおり、出会ったばかりの女性の部屋に入る気にはなれない。

 短気そうだが酔っ払っているし、そこまで変な女ではないんだろうけれど。

 女は不満なのか眉間にシワを寄せて言った。

「男らしくないと思います。女に恥をかかせるつもりですか!」


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