エンジェルデビル
ボロアパートに帰って来て、零一は少年にタオルを渡した。
「お前が着れそうな服が無いから暫くそのままでいてくれ。今風呂を沸かすから」
少年はタオルで髪を拭き、零一はココアを淹れにキッチンに向かう。と、背後から少年が声をかけてきた。
「あの…」
「何だ?」
ココアの甘い香りが部屋を満たす。
「お兄さんは警察の人でしょ…」
「ああ、そうだ」
零一はニヤッと笑って答えた。想像していた質問が来たから。少年は零一の予想通りの質問をしてきた。
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