エンジェルデビル
「じゃあ、僕を殺すの?」
不安そうな目。零一は笑いながら右手で銃の形を作り、少年に向ける。
「殺してほしいか?」
すると少年は首をブンブンと横に振った。そんな少年がおかしくて、零一は笑いながら少年にココアを差し出す。
「飲め、温まるぞ」
少年は素直にココアを受け取りカップを両手で包む。零一は少年の目の前に座り、
「で?お前はどうしてあんな所にいたんだ?」
「……」
暫く黙っていたが、やがて口を開き始めた。微かに聞こえる程度で。
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