エンジェルデビル
その零一が今大変な状況にある事に、風牙が知る訳もない。
と、玄関扉をノックする音が聞こえた。
「零一!」
帰って来たと思い、風牙は確認もせずに扉を開けた。
「零一!おかえりなさ…い」
「アレ?君は誰?」
そこに立っていたのは零一ではなく、髪の長い女性。背の高い身体を真っ赤なスーツで包んでいる。
もしかして零一の恋人?と思ったが、ここには殆ど人は来ないって言ってたから、多分違う。
「どうしたの?」
「あ、あの…」
もし変に疑われて警察に連れて行かれたら、零一の迷惑になる。
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