聖夜(クリスマス)の奇跡
「………」
「左手貸して?」
躊躇いながら左手を差し出すと、その薬指に小さなダイヤのついた指輪が嵌められた。
「よかった、ピッタリだ!
悩んで買った甲斐があるよ。
順番が逆だけど、麻衣、俺と結婚してくれる?」
断る理由なんて、ない。
私の答えは、もちろん……
「はい」
どれほど待ち望んだシーンだろう。
こんなにも幸せな気分を味わうなんて……
まるで映画のヒロインにでもなったような。
夢でも見ているかのようだった。
幸せを噛み締めた瞬間、光が消された東京タワーが見守る中、誓いのキスを交わした――。
《完》