残酷天使のララバイ~The last love songs~
 その情報に、僕は、特に疑問も疑念も持っていなかった。

「ふーん?
 ……それで、どんな噂だよ?」

 興味は半分。

 残りの半分は、いつも世話になっているクマへの義理で、僕は、相づちをうった。

 そんな僕に、クマは難しい顔をして言った。

「今日び、地球を狙う宇宙人はぎょうさんおるのは、事実やけど……
 オレらが相手にしてる、ヤツらはな。
 地球侵略に来てはる種類のヤツらやないて」

「……は?」

 クマの言っていることが良く判らない。

 僕は、クビをかしげた。

「……それって、どういうこと?」

「考えてもみぃ。
 いくらなんでも変やと思わひんか?
 オレらナイツは、新入りのチビを合わせても13人しかおらん。
 これで、全世界を……地球のすべてを守っているんやで?」

 クマは、さらに声をひそめて言った。

「塩なんちゅうもんは、地球上では海だけやない。
 陸にも山にも。
 それどころか、一般家庭の台所に至るまで、そこかしこに転がっている物質や。
 なのに、母艦が一つに、兵器が13?
 統一地球政府は、オレらを使って本当に地球を守っているのかいな……?」
 

< 22 / 132 >

この作品をシェア

pagetop