残酷天使のララバイ~The last love songs~
「それだけ、統一宇宙軍が頑張っているってことだろう?
 宇宙人対策に、各国のエラい奴が慌てて作った寄せ集めの軍隊みたいだけど。
 それでもなんとか機能して、ほとんどの敵を追っ払ってるんじゃないのか?」

 僕は、ひょいと肩をすくめてみせた。

「だから、どうしても手に負えないやつが少ないんだよ、多分、ね。
 ……それよりも、僕は、早くスコアを貯めてナイツを除隊できれば、敵は何でもいいや」

 僕の言葉に、クマは、軽く笑った。

「ま、長居したいヤツはおらんがな。
 なんや、チビ。
 お前、故郷(くに)に、彼女でもおるんか?」

「ああ……まあね。
 大切なヤツは、居るし。
 すぐにも帰りたいけど。
 それより、あのうっとうしいエンゼルの声は、聞くのもイヤだ。
 今は、仕方ないけれど。
 できれば、さっさと離れて、暮らしたい」

「本当に、お前。
 巨人が嫌いなんやなぁ。
 オレには信じられへん」

 クマは自分のペンダントを、大事そうに触った。

「ああ。
 クマは、そうかもしれないけれど、僕は、違う。
 エンゼルの人格設定も、そうだけど。
 巨人全部込みで……エメラルド星人も、エメラルド製品もみんなキライだ。
 宇宙最高品質かどうかは知らないけどね」
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