残酷天使のララバイ~The last love songs~
「……!
 待てよ!
 前回は、1時間だったじゃないか!」

 僕の抗議に、刑務官は、嘲った。

「残念だったな。
 今日は、もうすぐ陽が暮れる。
 星が出るまで外に出して、当艦の正確な位置を、お前に教えるわけには、行かないんだ」

「……僕は、星座なんて知らないし。
 星から、自分のいる場所を測るやり方なんて、もっと判らないぞ?」

「……どうだかな?
 お前は、もともと腕の良いハッカー小僧だって話じゃないか。
 どんな情報をどれだけ持っているのか判らない、危険ブツだ。
 本当は、警備が手薄になる外に出すのもはばかれるのに。
 それでも、出してやるのは。
 お前が、明日死んでもおかしくない、ナイツだからだ……哀れんでやっているんだよ」

「……」

「異存は無いようだな?
 オリコウさんだ。
 これ以上何か言ったら、その貴重な30分でさえ、棒に振る所だったぞ?」

「……」

 黙った僕に、刑務官は、莫迦にしたように笑うと。

 辺りを見回して、通りがかりの、作業服を着た別の刑務官を呼び止めた。
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