うさぴょん号発進せよ
「何でつと!?」

「宇宙へ行ったこともないヤツの面倒も、俺に見ろっていうのか?」

勝手に「行ったこともない」と決めつけられたのだが、本当のことなので、トヲルは反論できない。

「…むぅ」

船長は、クルリと椅子ごと後ろを向いた。

この椅子は常に宙に浮いており、船長はこの椅子を意のままに動かしている。

「わたちの気持ちとしては…、本当はミレイユに手伝ってほしいところなんでちが…」

「絶っ対っ、ダ・メ・だ!!」

話の途中、速攻で反対したコウヅキに対して、船長は一瞬、次の言葉を言い淀む。

「…コウヅキがそう言うだろうと思ったでちからね。それにウチには他に人材もいないでちゅち、仕方なくトヲルに白羽の矢を立てたんでち」

(仕方なく、って…)

自分はそういう人間なのか、と、トヲルは思う。
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