うさぴょん号発進せよ
結局、トヲルとコウヅキもビルホークたちの後に続いて、自室へ戻ることにした。

何もすることがないトヲルは、取り敢えず操舵室内を片付けようとしたのだが、それをヴェイトに止められ、「自室で待機するように」と命じられたのである。

作業中のセリシアの目の前をウロウロされては気が散る、ということなのだろう。

「なんかヴェイトって、いろいろ凄いなぁ。やっぱり、お医者さんだからなのかな」

戻る途中の廊下で、3人の後ろをついていたトヲルが、ポツリと呟いた。

先程のヴェイトの話から、只者ではない印象を受けたのである。

「お医者さんっていうより、ヴェイトはこの船で2番目に偉い人だからね」

目の前を歩いていたミレイユが、振り返って答えた。

「は?」

言っている意味が分からず、トヲルは聞き返す。
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