うさぴょん号発進せよ
「て…めっ。卑怯じゃねぇかっ!」

「フッ。卑怯もクソもあるか。あんたが逃げるのが、悪りぃんだろうが」

コウヅキは目の奥に眼光を宿らせながら、冷笑を浮かべていた。

銃口を向けたままで、更に体重をかける。

ブリリット星人は、強烈な痛みに喘いでいる。だが、このままやられるわけにはいかなかった。

右腕の筋肉に力を溜め、その片腕だけで一気に地面を蹴る。

ブリリット星人の両足が宙に浮き、身体がエビ反りになった。

そのままコウヅキの身体を挟み込む。しかしコウヅキの動きの方が、一瞬速かった。

コウヅキは横に飛んでギリギリ身体を交わすと、今度は下からブリリット星人の背中に蹴りを入れた。

ブリリット星人の身体が仰向けのまま、その反動で宙に浮く。そこに間髪入れず、コウヅキは上から肘鉄を振り下ろしたのである。

ブリリット星人はそのまま地面に叩きつけられ、ピクリとも動かなくなった。

コウヅキは、ブリリット星人の身体から離れて立ち上がる。

そして起き上がる気配がないことを確認した後、そのまま手に持っていた銃を、右腰に装着していたホルスターに仕舞い込んだ。
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