それからの物語~続・サッカーボールと先輩とアタシ~
ただ俺達は見つめた。
その車と、そして降りてきて来た静佳を。
「ヒロ、お前――。」
言いかけた旬磨の言葉を遮った。
「ここで待ってて。ちゃんと話して来る。」
場所を変えるのは簡単だった。
でも、万桜の気持ちを考えるとそんな事しちゃいけない。
万桜は何も言わない。
頷いたかも知れないが、見る勇気さえなかった。
歩き出す。
こっちへ向って来る静佳の元へ。