タイムカプセル
私は、小さな声で、言った。誰にも聞こえてはいないだろう。


「親切だなぁ…」


私は、また、小さな声で言った。


本当に、優喜さんは、本当に、親切だと思った。


だって、初めてあったのに、そこまでしてくれるとは思わなかったから。


このときから、リストカットはやめようと決心した。


「ただいまー」


「あら、紗弥、どこ行ってたのー?」


「ちょっと、色々な店、回ってた」


「そう。紗弥、学校、行かなくて大丈夫なの?」


「ん。大丈夫。勉強も、本とか見て、自習してるから」


「大学は紗弥が決めていいから、高校は行ってちょうだいね」
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