タイムカプセル
着物が、汚れないように。


「ただいま」


「あら、なぁに?その箱」


「私と、瑠奈と、優人と、白哉のタイムカプセル」


ガチャッ カチャン。


私は、何となく、鍵を閉めた。


カタン


「…………………………………」


手を伸ばしたけど、開けられなかった。


また、手を、こっちに戻してしまった。


開けたくなかった。


いや、あけるのが怖かったんだ。


開けると、あのときの記憶がよみがえりそうだから。
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