紅き瞳に囚われて
そこには座ってコーヒーを飲んでいる赤髪の男がいた。

「…響弥」

「お兄様と呼べ」

どうやら、コイツは風峪の兄らしい。

「……さて、疾風は優しくしていたみたいだけど僕は、容赦しないよ?」

緑色の目が怪しく光る。
それと同時に風峪兄の回りに、ボボボッと炎が集まる。

……炎使い。

「編入生。お前、こんな騒ぎを起こして、この学園に居られると思っているのか?」

風峪兄は手に炎を宿しながら、私に問う。

この学園に留まる理由は、無くなった。
だから、

「別に。この学園から追い出してくれたほうが、私には好都合だ」
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