紅き瞳に囚われて
「…!」

私のその答えは予想外だったのだろう。
風峪兄は目を見開いて驚いている。

「涙南!!お前、何言って?」

風峪は、そんな私を悲しそうに見る。

「まぁ、どんな理由があろうと、僕は君を止めよう」

風峪兄を取り巻く炎がよりいっそい強さを増す。

私は一本のフォークを投げる。


ジュッ!!

と音を起てて、フォークが溶ける。

あれに触ったら、火傷どころではなさそうだな……。

「いくぞ…」

風峪兄はそう呟くと、炎の球をいくつも投げ付けてきた。


私は、それを次々と避ける。
合間をみて、ナイフや包丁を投げ付ける。
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