紅き瞳に囚われて
だから、涙南が来た時もどうでもよかったんだ。
生徒が一人増えるだけだと思っていたから。

「…離さねぇよ」

涙南、お前を他の奴らになんて渡さない。
久しぶりに見つけた、興味の持てた奴なんだ。


俺がお前を簡単に離すと思うなよ?





暫く、涙南の寝顔を見ていた。

……コイツ、綺麗な顔してるんだよな。

肩らへんまである薄い茶色の髪。整った顔。
瞳の色は、黒。


考えていて、ハッとなる。

コイツ、何を隠しておきたかったんだ?

涙南はまだ寝てるし…。

……ちょっと、探るか。

俺は、涙南の額に手を宛てる。
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