紅き瞳に囚われて
俺の能力はオールマイティといっていいだろう。

だから、他者の記憶を探る事もできる。

「……?」

記憶が見えない。

心を完璧に閉ざしてやがる。でも、こんな事したら……、感情が無くなってしまう。

「…感情が無いのか?」

コイツはどれだけ、暗い闇を抱えているんだ。

どれだけ記憶を探っても、記憶が見える事はなかった。



「漣様、食堂は片付きました」

プライベートルームを出ると嶺がいた。

「ああ、ご苦労だったな」

「漣様。神波 涙南の処分はどうするおつもりですか?」

響弥にでもきいたのだろう。嶺は涙南が犯人だと知っていた。
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