紅き瞳に囚われて
「そう、それでいい…。涙南、私が憎くて堪らないだろう?」

「………」

私はその問いには答えずに、能力を発動させる。

しかし、この部屋には武器という武器は無い。
私は目に入った、花瓶を持ち上げ、漣 龍我に投げ付ける。

しかし、花瓶は漣 龍我には当たらず、擦り抜けた。

「ナッ!?」

「残念だが、私は本体ではない。私を殺したいならば、捜せ。涙南」

そう言って、漣の幻影は消えた。



私はその場に座り込む。

それと同時に、ドアが開き、漣が入ってくる。


「涙南、お前何をして…?」

ツカツカと私に歩み寄ってくる漣。
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