恋 時 計 ~彼はおまわりさん~
「おーい、お前たちそんなに俺のホームルームはつまらんか?」
見上げた私の視界には、目を細めた鈴木先生が映り、
やばって思った瞬間、智子と私はデコピンされた。
「痛~い!」
智子の言葉に鈴木先生はふっと笑い、
私達の頭をクシャッと撫でて教壇に戻った。
「痛いのは俺の心の方だよ。
青木、井上、放課後体育館の用具室の掃除しろ!」
うそ~!!
先生厳しい! 厳しすぎるよ!!
智子と私は顔をしかめて見合わせた。
けど、そんな私達を羨ましそうに見ているクラスメイトが数人いて、
私はその視線の意味がよくわからなかった。
あのホコリ臭い用具室を掃除するんだよ?
良いことなんてなにも無いよ……。