恋 時 計 ~彼はおまわりさん~
「失礼しまーす」
普段滅多に入らない教官室には、鈴木先生しかいなかった。
「おっ、終わったか?」
「はい。智子は門限があるので今帰りました」
「門限?」
門限という言葉に慌てて掛け時計を目にした先生は、
「あっちゃ~」って髪を掻いた。
「すまん! こんな時間になってたなんて気づかなかった。
青木は? 門限ないのか?」
「はい。うちは自由ですから」
私の答えに椅子に腰を落とした先生は、溜め息をついて天井を見上げた。
「だめだな、俺……」
なに?
どうしちゃったの?
いつも元気ハツラツな先生が溜め息つくなんて……。