恋 時 計 ~彼はおまわりさん~


「先生?」


心配になって声をかけた私を座っている先生が見上げ、少しの沈黙の後口を開いた。



「青木、ちょっと時間ある?」

「え? はい……」


先生は隣にあった椅子をパンパンッと叩き、私に座るように合図した。



「あのさ……俺がこれから話すこと、絶対に他の生徒に言うなよ?」


先生より視線が低くなった私に、低い声で話し始めた先生。


私は何を話されるのか見当がつかないまま、黙って頷いた。




「俺ってどう?」



はい?


先生の言葉に目を丸くした私は、首を傾げて質問を返した。


「どうって……?」




< 20 / 712 >

この作品をシェア

pagetop