恋 時 計 ~彼はおまわりさん~


「ここが美樹ちゃんの教室?」

「うん」

「なんか凄く清潔感があるね。女子高だからかな?」

「そうかなぁ? そんなふうに感じたことないよ」



3階にある私の教室に入ったおまわりさんと私。

学園祭のイベントを催してる教室は2階までだから、この階に上がると急に静かになった。



「ここでいつも勉強してるのかぁ……」


私の机に触れたおまわりさんは、視線を教室の前にある黒板に向けた。


「こっちが智子の席だよ」

「隣なの?」

「うん」

「羨ましいな」



羨ましい……?

私もおまわりさんと同じパトカーに乗る警察官を羨ましいって思ったことがあるけど、それと同じ感覚なのかな。



智子の席に座ったおまわりさんは、私に自分の席に座るようにと微笑みながら椅子を引いた。



馴染みのある席なのに、隣におまわりさんがいるとなんだか恥ずかしいな……。

 

少しぎこちなく自分の席に座った私。


そんな私の横顔を、おまわりさんは嬉しそうに机に頬杖をついて見ていた。



やっぱり、なんか恥ずかしいよ……。


ドキドキして顔が紅潮してくる。








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