恋 時 計 ~彼はおまわりさん~
「おはよう」
「おっ、おはよう!」
うわぁ~、なんだか朝から恥ずかしいところ見られちゃった。
私は頬を少し赤く染め、おまわりさんの顔を見上げた。
「ん……? どうした?」
「ううん、なんでもない……」
恥ずかしかったけど……
おまわりさんと会えたことがなんだか無性に嬉しい。
「変なの」
俯いた私の顔を上げるように、人差し指で私の額をクイッと突くおまわりさん。
「痛~い」
私は額を擦りながら、おまわりさんの優しさを体で感じていた。
おまわりさんの手、冷たかった。
きっと、交番の外で私が家から出てくるのを待っててくれたんだ……。
おまわりさんのさり気ない優しさが、私の小さな胸を大きく膨らませる。