恋 時 計 ~彼はおまわりさん~


二階にある自分の部屋に入った私は、おまわりさんに電話をかけた。


ふふっ、おまわりさんは今日と明日仕事が休みなんだ。

これからおまわりさんの家に行ってもいいか聞いてみよう。



機械音が私の心をくすぐる。


1回

2回

3回


次のコールで出てくれるかな……。



高鳴る鼓動に応えてくれたのは、6回目のコールの後の留守番電話サービスだった。


……おまわりさん、疲れて寝てるのかな?



携帯電話を握ったままベッドで体を伸ばした。


外から家の中に入った時は温かかったのに、なんだかちょっと寒いな……。



布団の中に潜り込んだ私は、おまわりさんから送られてきた今までのメールを読み返した。


どのメールにもおまわりさんの優しい心が含まれている。



ふふふっ……幸せだな~。


幸せ……





いつの間にか、私は携帯を握ったまま眠ってしまっていた。






< 374 / 712 >

この作品をシェア

pagetop