恋 時 計 ~彼はおまわりさん~



「美樹、もしかして犯人見つけようとか思ってる?」

「え……」



突然のおまわりさんの言葉に、さっき頭に過ぎったことが思い出される。



犯人が目の前に現れたら――

犯人を見つけ出したら、私――





「それは、俺たち警察官の仕事」



目を泳がせながら俯いた私の頭を、おまわりさんがポンっと叩いた。


ビクッと肩をすくませた私は、恐る恐るおまわりさんに視線を向けた。




「俺を信じて。
必ず犯人を逮捕するから……」



優しい微笑みでそう言ったおまわりさんの瞳は、


とても綺麗で

強くて……



私は素直に頷いた。






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