恋 時 計 ~彼はおまわりさん~
おまわりさんと会わないまま過ぎていく日々。
時々そっと窓から顔を出してみても、おまわりさんの姿はなくて……
もうおまわりさんの心はここにないんだと感じてしまう。
懐中電灯で顔を照らしたお化けのようなおまわりさん。
優しい笑顔で手を振ってくれたおまわりさん。
桜の花びらを優しく手にのせたおまわりさん。
本当にいなくなっちゃったんだね……。
おまわりさんと一緒に見ると約束した桜が散った頃、
私はやっとそのことを受け入れなきゃと思い始めた。
そして夏
最後にあの湖に行こうと決めた。